「占いってなに?」と聞かれたとき、大人でもうまく説明できないことがありますよね。
占いは昔から人の未来や気持ちを知ろうとするときに使われてきたものです。星や手のひら、カードなど、占いにはいろいろなやり方があります。この記事では、占いとはそもそも何なのか、どんな種類があるのかを、子供にも分かるくらい簡単にお話ししていきます。
大前提として「占い」とは?

占いとは、これからの出来事や他人の気持ちをどうにか知ろうとする方法のことです。たとえば「明日はどんな日になるかな?」「友だちともっと仲良くできるかな?」「いまの恋が成就するかな?」といった、まだ分からないことの結果を知りたいときに使われます。
占いの役割は、ただ未来を当てることだけではありません。「こうすればうまくいくかもしれないよ」というヒントをくれたり、「きっと大丈夫だよ」と安心させてくれたりもします。
世界と日本の占いの歴史
| 時代 | 特徴 |
|---|---|
| 弥生・古墳時代 | 動物の骨や亀の甲羅で吉凶を占う「太占(ふとまに)」「亀卜(きぼく)」などがあった。卑弥呼が神託を伝え国家運営に関与。 |
| 古代~平安時代 | 中国から伝わった陰陽道が発展し、暦・方角・怨霊対策に占いを活用。有名な陰陽師・安倍晴明が登場。「宿曜占星術」なども伝来し仏教・密教に影響を与える。 |
| 戦国時代 | 占い師が軍師として武将をサポート。戦の日取りや天気予測、兵法など占いを活用。 |
| 江戸~近代 | 四柱推命などが中国から伝わり、庶民にも浸透。街角の占い師が相談相手に。 |
| 明治以降 | 西洋化・科学化で占いは国家からは離れるが、個人の運勢や恋愛占いとして定着。 |
| 地域・時代 | 特徴 |
|---|---|
| 古代メソポタミア・バビロニア | 星や天体観測で未来を予測(十二星座の起源)。動物の内臓や骨を使った占いも。 |
| 中国・東アジア | 易占や風水が発展し、日本にも伝わる。 |
| 古代ギリシャ・ローマ | 神殿での神託や夢占いが盛んで、政治にも利用された。 |
| 近現代 | タロットカードや星座占いが広まり、恋愛や運勢を占う身近な文化に。 |
占いは、昔は神様への祈りや政治の決定に使われていました。それから、時代が進むにつれて庶民の生活や気持ちを支える役割に変わっていったとされています。
占いの大分類
占いには大きく分けて「命術(めいじゅつ)」「卜術(ぼくじゅつ)」「相術(そうじゅつ)」の3種類があります。中国では「命・卜・相」に加えて、医術(体や健康に関する知識)や山術(心身の鍛錬)を合わせた「五術」として整理されることもあります。
ただし、現代の日本では「命・卜・相」の三分類が一般的です。それぞれ占いの基本となる考え方で、特徴や得意な分野が異なるので簡単に解説していきます。
命術(めいじゅつ)
生年月日や名前など、生まれながらに決まっている情報をもとに占う方法。長い人生の流れや性格の傾向を知るのに向いています。
代表例:西洋占星術、四柱推命、数秘術、九星気学、六星占術、紫微斗数など。
卜術(ぼくじゅつ)
カードやコインの出方など「偶然の結果」を利用して占う方法。今の状況や近い未来のこと、どちらを選ぶと良いかなど短期的な判断に役立ちます。
代表例:易占、タロットカード、ルーン占い、おみくじなど。
相術(そうじゅつ)
手のひらの線や顔つき、家の間取りや土地の形といった「見える形」から運勢や吉凶を判断する方法です。人や場所の性質を知るのに使われます。
代表例:手相、人相、家相、姓名判断、風水など。
大まかな占いの種類一覧
占いにはたくさんの方法がありますが、大きく分けるといくつかの種類に整理できます。ここでは代表的な占いをまとめ、どのような特徴があるのかを分かりやすく紹介していきます。
生年月日など個人データをもとに占う占術
占いの中には、生まれた日や名前といった基本的に変わらない情報から、その人の性格や運勢を読み解く方法があります。人生の流れや長期的な傾向を知るのに向いています。
西洋占星術(アストロロジー)
太陽や月、惑星などの天体の位置をもとに、生まれた瞬間の星の配置図(ホロスコープ)を作り、性格や運勢、適職、未来の流れを読み解きます。12星座占いとしても親しまれ、自己理解や人生の傾向を知るのに役立ちます。
四柱推命
中国で生まれた占いで、生年月日と生まれた時間を「四柱」に分け、干支や五行を組み合わせて詳しく分析します。性格や才能、運勢の流れを細かく読み取ることができ、「占いの帝王」と呼ばれるほど的中率が高いとされています。
数秘術(ヌメロロジー)
生年月日や名前を数字に変換し、1~9の数に還元して占う方法です。数字ごとに象徴する意味があり、性格や本質、人生のサイクルを知ることができます。計算がシンプルで、誰でも手軽に楽しめるのが特徴です。
九星占い
生年月日を9つの星(本命星)に分類し、性格や運勢、良い方角などを占う方法です。九星それぞれに五行(木・火・土・金・水)の性質も結びついており、開運方位学としても使われています。
宿曜占術
インド占星術を起源とし、月の動きをもとに27〜28の「宿(しゅく)」に分類して占います。生まれた日の宿から、性格や適性、相性を知ることができ、日本では平安時代から利用されてきました。
紫微斗数
「東洋のホロスコープ」と呼ばれる中国の占星術です。旧暦を使い、12の宮に星を配置して人生の流れを詳細に分析します。生まれた時刻が重要で、性格や運命の転機を読み解くのに適しています。
人相占い
顔の形やパーツの配置から、その人の性格や運勢を判断します。統計的な要素が強く、外見から内面を知る伝統的な方法です。
手相占い
手のひらにある線や丘、指の形などから、性格や人生の傾向を占います。手相は変化することがあるため、「未来を変えるヒント」が得られるとされています。
姓名判断
名前の画数や音の響きから、性格や運勢を占う方法です。日本で特に広く親しまれており、名付けや改名の際にもよく利用されます。
血液型占い
日本独自に発展した占いで、A・B・O・ABの4タイプに分けて性格や相性を判断します。科学的根拠は薄いですが、簡単で話題にしやすいため、気軽に楽しむ占いとして人気です。
六星占術
細木数子氏が提唱した占いで、6つの「運命星」に分類して人生の周期を分析します。東洋の思想や易学をベースにしており、多くの人に利用されてきました。
0学
日本で生まれた占いで、生年月日から「支配星」を割り出し、性格や運気の流れを判断します。特に年ごとの運気変化を読み解くのが得意です。
五星三心
ゲッターズ飯田氏が考案した占いで、六星占術をベースに現代化したものです。生年月日をもとに12タイプに分類し、性格や運勢だけでなく「行動の指針」まで示してくれるのが特徴です。
道具を用いて偶然に出たものから占う占術
「道具を使って占う方法」は、偶然出た形や結果に意味を見出すスタイルです。カードを引いたり、サイコロを振ったり、出てきた模様や数字からメッセージを読み取ります。偶然の中に必然を見つけるという考え方で、ゲーム感覚でも楽しめるのが特徴です。これらの占術はいずれも「偶然性(卜占)」を鍵に、心の奥・日常の問い・秘められた未来の可能性を照らし出します。
タロット
タロットは、全部で78枚のカードを使う占いです。大アルカナと小アルカナというカードの種類があり、引いたカードの絵や並び方から「今の状況」や「近い未来の流れ」「悩みへのアドバイス」を読み取ります。特に、自分や相手の気持ちを知りたいときや、選択に迷ったときに役立つ占いです。
トランプ占い
身近なトランプを使った占いで、カードの数字やマークの意味から恋愛や人間関係、運勢を占います。ルールはシンプルで、ゲーム感覚で楽しめるのが特徴。国や占い師によって方法がいろいろあり、手軽にできる占いとして人気があります。
易占い
中国で生まれた、とても古い占いです。コインや棒などを使って「卦(け)」という64種類の図形を出し、その意味から運勢や進むべき道を判断します。「未来を当てる」というよりも「どう行動すればよいか」を教えてくれる実用的で深い占いで、人生の大事な決断に使われることが多いです。
ルーン占い
北欧に伝わる古代文字「ルーン」を刻んだ石や木片を使う占いです。ランダムに取り出した文字の意味から、運勢や悩みの解決策を読み取ります。シンプルに「イエス・ノー」など短い答えをもらえることも多く、お守りとしても使われています。
心理学的な根拠から占う占術
占いの中には、統計学や心理学の考え方を取り入れて、人の性格や行動の傾向を読み解くものもあります。血液型占いや姓名判断などが代表的。他の占い同様、科学的な根拠は必ずしも強くありませんが、多くの人にとって「自分を知るきっかけ」や「会話のきっかけ」として親しまれています。
心理テスト
心理学や行動科学の知識をもとにした質問に答えることで、性格や深層心理、恋愛傾向や価値観を分析する方法です。科学的な理論や統計を取り入れている一方で、遊び感覚で楽しめるライトな診断も多くあります。自分の強みや弱みを知ったり、新たな一面を発見したり、人間関係のヒントを得るきっかけになります。
夢占い
夢の中で印象に残った出来事やシンボル(例:飛ぶ、追いかけられる、動物に会うなど)を手がかりに、心理的・象徴的な意味を読み解く方法です。フロイトやユングの理論を背景に、「無意識からのメッセージ」として心の状態や未来の暗示を分析します。悩みや願望、ストレスや転機を見つめ直す助けとなります。
エゴグラム
交流分析理論をもとに、質問の回答から「親・大人・子供」といった5つの自我状態を数値化し、グラフとして可視化する性格診断です。どの要素が強いか、バランスが取れているかをひと目で把握でき、自己理解や対人関係、仕事への向き合い方を改善するヒントになります。比較的実証性が高く、医療や教育の現場でも応用されています。
占い師の神秘的能力で占う占術
占いの中には、カードや道具を使わず、占い師自身の霊感や直感といった特別な感覚を頼りに行うものもあります。相手の心の動きや未来の出来事を感じ取るとされ、神秘的で不思議な魅力があるのが特徴です。
水晶球占い
透明な水晶球をじっと見つめ、そこに浮かぶ映像や記号、イメージを読み取って占う方法です。過去・現在・未来や、悩みの本質を探るときに使われます。映像がはっきり見える「スクライング」という高度な手法や、ぼんやりしたイメージを直感的に解釈する方法があります。
占い師の直感や霊感に大きく左右されるため、誰でも簡単にできるわけではありません。未来予知や相手の気持ちを知ること、問題解決のヒントを得ることなど幅広く活用され、静かで集中できる環境が大切とされています。
霊感占い
占い師が持つ霊感や直感を使って、相談者や対象の状況を読み解く方法です。道具は使わず、相手の雰囲気や声、オーラや「気」などから情報を感じ取ります。
明確な理論やルールはなく、占い師ごとに感覚や受け取るイメージが異なるのが特徴です。守護霊や亡くなった人からのメッセージを伝えたり、過去世や未来に関する助言をする場合もあります。占い師の霊感の強さによって結果が変わるため、同じ相談内容でも答えが異なることがあります。
失敗しない占いとの向き合い方

占いは気になることを前向きに考えるきっかけになりますが、依存しすぎたり結果をすべて鵜呑みにしたりすると、かえって迷いや不安を深めてしまうこともあります。大切なのは、占いを「人生のヒント」や「新しい視点を得る手段」として上手に取り入れることです。ここでは、占いと健全に向き合うためのポイントを紹介します。
占いは当たるのか?科学的視点で考えてみる
占いの結果が「当たった」と感じることはありますが、科学的には偶然や心理的要因が大きく関わっています。例えば、曖昧な表現や多くの解釈が可能な言葉は、多くの人に当てはまるように感じられることがあります(これをバーナム効果と呼びます)。また、自分が覚えている結果だけに注目して、外れた部分は忘れてしまう傾向もあります。つまり、占いが完全に未来を予言する科学的根拠はないと考えられています。
占いを楽しむコツ
占いは「結果をすべて信じる」ものではなく、生活や選択のヒントとして活用するのが理想です。たとえば、恋愛や仕事のアドバイスを受け取ったら、「こういう見方もあるのか」と参考にする程度にとどめるとよいでしょう。信じすぎず、自分の判断や行動と組み合わせることで、占いをより安全に、かつ楽しんで利用できます。
占いで安心感を得る心理的効果
占いには心理的なサポートとしての効果もあります。不安や迷いがあるときに占いを見ることで、「少し気持ちが落ち着いた」「前向きに考えられた」と感じる人は少なくありません。占いはあくまで外からの視点ですが、自分の心を整理したり、行動のきっかけを作ったりする手段として利用することで、安心感や前向きな気持ちを得ることができます。
占いで人生を豊かに!

占いは未来を完全に予言するものではありませんが、人生を豊かにするヒントや新しい視点を与えてくれます。運勢や性格、相性などを知ることで、自分や周りの人との関わり方を考え直すきっかけになったり、行動のヒントを得たりすることができます。
大切なのは、占いを「参考にする道具」として上手に取り入れ、自分の判断や努力と組み合わせること。そうすることで、日常にちょっとした楽しさや安心感をプラスしながら、より前向きに生きる力を引き出すことができるのです。
